ぼたもち・ボタモチ・牡丹餅

  • 2010.02.01 Monday
  • 10:19

ボタモチ というのをお聞きになったことがあると思います。
備前焼のいわゆる景色の一つなのですが、これも緋襷同様作品同士がくっつかないようにする為の緩衝材の一つで、写真に見えてる黒い丸い物がそうです。
 
正体はざっくりした、非常に耐火度の高い粘土でありまして、伊賀焼の土鍋なんかに使われている土に近い感じの粘土だと思っていただいて良いと思います。

そういえば最近放送した地元のTVで、この土(多分限りなく近い)を使って土鍋を造り、藁を巻き焼いた上で、「長年研究に研究を重ね、備前焼き初である緋襷の土鍋を造ることに成功しました!」と自慢してた輩がおりましたな。 
まぁ、備前焼の定義をどの辺りに置くかという根本的な問題もあるのですが、それにしても恥知らずな馬鹿者でありまして、しかしこんなアホンダラをかまっていてもしょうがないので置いとくとしても、知らないとはいえ放送するTV局もTV局で、プライドが無いのならともかく、備前焼にたずさわっている作家が皆ああだと思われるととっても恥ずかしいので、もう少しリサーチしてから放送してほしいものだと思います。

話が逸れました。

で、この粘土をおダンゴ状にして、もみ殻を燃やした物を塗してお煎餅状に広げ、作品と作品の間に嚙ますと、備前焼の粘土との耐火度の違いでくっつかないという物。
丸く延して使用する事が多く、置いた場所には灰や炎は当らないのでお餅のような型が残る事が多く、通常はこの粘土の俗称である ”ボタ土” から取って ”ボタ餅” と呼ぶのですが、いつの頃からかそれじゃあんまり色気が無いであろうということになったのか、漢字を充てて ”牡丹餅” と称するようになったのであります。
う〜ん、こんな洒落たネーミング?は古のお茶人かそーとー風雅な趣味人くらいしか出来ないんでしょうから、きっとそういう見識のある方が名付けたんであろうと勝手に想像している僕なのです。
あっ!これこそリサーチ不足でした!。 失礼!


窯の火入れ

  • 2010.02.02 Tuesday
  • 10:48
昨日窯に火を入れました。
火を入れる前に窯に置かれた神棚にお参りします。
我が家の宗旨は黒住教なので「高天原に」です。
 
まず、写真やや右に置いてあるお皿に盛られた塩を窯の要所に置き塩をし、次に、添えられたサカキで塩を参加者全員に掛け清め、写真左上に祀られている神棚に向かって祝詞を奏上し、神棚の蝋燭から火をわけて貰い、焚口に組まれた割木に移します。
  
窯を焚く作業の中で注意事項?とまでじゃなく、例外的に窯焚きながら焼肉する人もいるそうですが、窯の火の神様はお不動さんなので、お使いしめである牛と馬は食べない人が多く、現在は牛馬が総じて ”四足は食べない” という習慣になっている作家が一般的なようで、我が家でも窯焚き中は食卓に上ることはありません。

犬島イベント 打ち合わせ会

  • 2010.02.04 Thursday
  • 20:46

今日は 2010瀬戸内国際芸術祭 の会期中、犬島にて開催されるイベントの関係者が集まる会合があったので、僕が主催している 学塾つれのーて の広報担当である竹崎君と原田君を伴って参加した。
総勢15名くらいで、主催者側から (財)福武教育文化財団、(財)直島福武美術財団、瀬戸内国際芸術祭実行委員会 (香川県・アートフロントギャラリー) の方々、イベントやる側からは、今年で6回目になる 犬島時間 の青地さん、今年が4回目 犬島ジャンボリー の南波さん、そして総勢70名のスタッフで挑む 維新派 の山崎さん、清水さんなどが参加されていて、初参加の僕は宿泊施設の使用方法や団体行動の場合の犬島へのアクセス、資材搬入の方法やその他の規制事項など、基礎的な事柄を皆さんに伺い 「さぁ!準備だっ!」 モードへと、スイッチを まずは1段 押し込んだのでありました。
 ポスター?なのかな?
青地さんの犬島時間HP↓
http://blue-works.jp/inujima/index.html
南波さんの犬島のお店HP↓
http://trees-inujima.com/index.html 
維新派のHP↓ 
http://www.ishinha.com/index.php

煙の立ちどころ

  • 2010.02.05 Friday
  • 10:39
これは学塾の塾生である原田良二君のお爺様で、先月お亡くなりになった原田陶月さんのご告別式会場での出来事。

ご焼香を終えて入り口付近にぼんやり立っておりましたら、有名な備前焼作家の某先生が僕の所にやってこられまして、開口一番 「かず君そりゃそーと あっこ(あそこ)の店ゃーあんたとこで買うたんかな?」 「?!えっ!?」 「いやいや備前陶芸倶楽部んとこがあろー。 あっこの後はあんたとこの関係の人が買うんじゃねーんかな?。 そねー(そんなふうに)に聞いたんじゃけど、こーた(買った)んかな?せーで(それで)もー決まったんかな?」 「??・・・??」 「いやっ?、何?・・ですか・・?」 「いやいや、なんかよー知らんのじゃけど(そんなことは無い。よく知っている様だ。)、あんたとこの奥さんの里の親が出して(お金を)、あんたとこの関係の人が買う ゆぅー話を聞いたんじゃけど違うんかな?」 「いや、ウチじゃないと思いますが・・・」 「あーそーかな、違うんかな、いやいや、でーかが(誰かが)そねー(そんなふうに)よーた(言っていた)からちょっと聞いてみたんじゃけどなー、違うんかな。 そーかな、そーじゃゆーて聞いたんじゃけどなー。 違うんかな。 違うんならえんじゃけど、そーかな、違うんかな」。
これは正しい煙
ああっ!リフレインが呼んでいる。

簡単に説明しますと、昨年惜しまれつつ営業を辞められた伊部で一番の老舗だった備前焼販売店 「備前陶芸倶楽部」 さんの建物が現在も空き店舗になっておりまして、そこを僕の家内の実家の親がお金を出して、僕に近いところの関係者に営業させる為に購入したのではないか?いやしたんだろう、そうでないのならとても残念だ!という内容の、文章にすれば短いのですが先生は早口でいらっしゃるので上記の会話×3回分を繰り返し、購入したのが僕じゃ無いという事実を本人の口から聞き及んだのが思惑と違ったためまことに遺憾だったのか、肩を落として非常に残念がられ、何度も何度も 「違うんかー」 を繰り返しながらご焼香台へと向かわれたのであります。

火の無いところに煙は立たない、人の口には戸は立たぬ、人の噂も75日、なんて言いますが・・・違います。 
火は無くても煙は立つのです。 戸は立ててもしょうが無いのです。 人の噂は75日で消えるんだか消えないんだか判らないのです。

こんなふうに何が何だか分からないうちに、最近一番びっくりした出来事でありました。

贋作注意報

  • 2010.02.06 Saturday
  • 13:27

ここのところ不況が長引いているせいか週に3点〜5点のペースで作品の鑑定依頼が来ている。 あちこちでおこなわれている美術骨董市では当たり前だが、有名なオークションでも、デパートで行なわれている 「掘り出し物市」 的な催しでも贋作が売られているケースも多い。 最近も県外のデパートに行った際その手の催しをしていたので覗いてみたら祖父の作品4点の中に混じって贋作徳利が1点売られていたので、「これ違うから下げたほうが良いよ」 と言ったら 「本物です」 とおっしゃる。 「いや、違うから」 と言ったら 「これはいわくがあって(どんなだ?)藤原家から出てきたものだから違わない」 と言う。 掘り下げて聞いたところ、どうやら僕本人から買ったもの(売った覚えは無いが)らしいので、文句があるなら藤原家に言えという。 なので、「あなたが本人に直接会って買ったのか?」 と聞いたら 「そうだ」 と言い張るので、「会ったこと無いんだけど」 というと 「お前は誰だ」 と言う。 
「ふじわらかずです」 といったら、「証明書を見せろ!」 などと言いやがったのだが、たまたま隣のスペースに出店していたかばん屋さんのご主人が僕の知ってる親父さんで 「この人本物だよ」 と言ってくれたら、「実は買い付けに行ったのは私ではないが、その人がそういう風に言っていてそれを信頼していた為前言のような強気になった訳なので・・・ごにょごにょ・・・」 と言う。 
呆れるほどにみっともなくも平然と言ってのけるそのクソバカアホンダラ野郎の厚顔無恥な姿こそ今のご時世なのかもしれないと思ったら、悲しいやら情けないやら頭にくるわでブチ切れそうになっていたところへ会場の担当者が なんだなんだ? とやって来て、あーだこーだと言ってるうちに帰る時間がやって来たのでその場を後にしたのだが、まことに不愉快極まりない時間を過ごしてしまった。
 
啓造 「備前壁掛け 女の子」 贋作?ありえません

当事者達が知らずにやっているのか確信犯なのかは判断できないし、オークションの担当者も昔のような目利きが少なくなっていて、デパートの担当者も業者さんを信頼してお付き合いするしかないのでなかなかにむつかしい 贋作スパイラル問題 なのだが、やるほうも手間ひま惜しまず?やっているし、”贋作” というカテゴリーが無くなる事はないであろうなので、「皆さん自己責任ではありますが、注意レベルを 8 くらいまで上げてから作品と向き合いましょうじゃありませんか!」 という 贋作にご注意を! を喚起するブログでした。

  • 2010.02.09 Tuesday
  • 16:20
窯を焚いていると、写真のように窯が膨張収縮を繰り返すため、窯のあちこちにひびが入る。 酷いときには中が覗けるくらい 裂け幅 の大きい箇所も出て来たりする。
 
ここが不思議なところで、この窯は下から三分の一は45年前に築窯してから一度もいじっておらず、中段は2度、ドーム状になった上部は3度築き直しているのだが、ひびや割れが起こる場所も容も毎回同じなのである。
 
地形であったり、水脈だとか傾斜角から窯前方(でぶちんの辺り)に掛かる負荷のポイントが何度やっても同じだからというのが 「なるほど!」 な理由になるのだろうが、いつも感心するくらい同じなので 「あんたはえらい!」 と自然相手に感心しきりの僕なのです。

窯の中

  • 2010.02.11 Thursday
  • 11:23
左は皆さんが比較的よくご覧になっていると思われる窯焚き口正面から見た図。
 
右は後ろの部屋の上部。
主に皿や鉢の類を並べて色付けに炭を入れます。
手前と、少し向うの鉢の中に見えている黒い物体が炭です。
 
彼は窯焚きのお手伝いに来てくれていた僕のお弟子さんの後輩の滝川君。
ソリッドな顔元ですがヤバイ人ではありません。



火止め

  • 2010.02.12 Friday
  • 11:13
火を止めました。
この時期、空気が乾燥していることもあって他の季節より一日早い窯焚き終了となりました。
 
窯出しは今月下旬。
個展の合間を縫っての窯出しとなります。

バリの守り猫

  • 2010.02.12 Friday
  • 19:42
バリの守り猫・・・だそうです。
 
近所の本屋さんの会計カウンター脇に世界各地の開運グッズ、たとえばハワイの手彫り風ハッピーマークやインディアンのドリームキャッチャーなどと一緒に売っていたのですが、顔が面白かったので買ってみました。
正しく確認はしていませんが、梱包されていた袋に 「バリの守り猫」 と記載されていたので、たぶん間違いないと思います。

直島

  • 2010.02.14 Sunday
  • 17:28
直島です。
窯焚きを終えた次の日、(財)藤原啓記念館の友の会である備美倶楽部の行事でやって来ました。
  
  
美術館では、ホテルスタッフであり、僕が幹事をやっている岡山政経塾の6期生でもある西美君に案内してもらい、その足で地中美術館へ移動
  
夕方ホテルに戻り、岡山市内からお越しいただいた宮下酒造の宮下君と小西さんにお酒のプチ講座をしていただき
  
我が家から持ち込んだ祖父と僕のぐい吞み(父のぐい呑みは数が少ないので不参加となりました)を選んでの利き酒会を開催した。
 
その後参加者の皆さんと和やかに食事会。 楽しい夜は更けていったのでありますが、次の日、犬島に行くツアーに同行する予定でありました僕。
3週間ぶりに飲んだ前日のお酒がまんま残ってしまい、あえなくリタイヤとなりまったのでありました。

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28      
<< February 2010 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM